取引先の企業調査を外部に依頼する場合、リサーチ会社のほかに、探偵・興信所という選択肢があります。
探偵に企業調査を依頼することには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
探偵の企業調査でも、リサーチ会社と同様、決算書や登記簿をもとにした経営、財産の分析を行っています。
しかし、決算書等はその性格上「よく見せよう」という意識が働くもの。
紙ベースのデータではわからない情報をつかむ必要があります。
探偵が注目するのは、役員や社員など「人」。
中小企業の企業体質は経営者個人によって決まる部分が大きくあります。
例えば、経営者と社員や取引先の間にトラブルはないか、経営者の人間関係の中に、反社会的勢力が紛れ込んでいないか、といったことを調べるのは得意分野です。
所有する企業データ数、経済状況や業界の趨勢などの知見については、リサーチ会社に分があると言って良いでしょう。
探偵会社の強みは、リサーチ会社にはない豊富な情報源、人的ネットワークを利用して取引リスクを洗い出すことといえます。
また、調査項目が定型化していないので、依頼者が特に聞きたい内容、たとえば「ネット上で見つけた取引先の悪評の真偽を調べて欲しい」といったような、カスタマイズした調査依頼に幅広く対応できます。
もうひとつ、探偵に依頼するメリットに、調査が秘密裏に行えることがあります。
リサーチ会社で行われる調査では経営者への取材があります。
その際、依頼元が誰であるかは明かしませんが、タイミング等で知れてしまうことを心配する人は多いものです。
探偵は、直接経営者へ取材をしなくても詳しい情報を入手できる様々な手法を持っています。
ただし、当然のことながら、クラッキングなど違法な方法で情報を収集したり、競争相手の技術や顧客の個人情報を持ち出したりといった法令に違反する調査はできません。
そのような行為をすれば、依頼者と探偵が共犯に問われる場合もあります。
悪質な探偵業者による事件も報道されていますので、注意が必要です。